AutoCADで作成したDWGデータを他社に渡す時の注意事項

AtutoCAD バージョン AutoCAD

特許図面や意匠図面作成のご依頼をいただいた際には、多くの場合AutoCADで作図しています。中間での図面チェックはPDF化してお送りしていますが、最終納品は特許庁のイメージファイルの規定に準じたGIF・BMP・JPEGの形式で納品しています。場合によっては、Illustrator(AI)データやAutoCAD(DWG)データで最終納品することもあります。勿論一般的な2次元作図業務の場合には、DWG納品が多くなります。

先に述べたイメージデータ納品の場合には、相手先の環境によって問題が生じることはまずありません。ディスプレイ上で画像を確認したり、カラープリンタから紙に印刷した際には、機器固有の違いによる見え方の差が生じる可能性はありますが、データを修正するまでには及びません。但し特許庁向けの出願ソフトに対応する為、イメージデータにEXIF情報を含んていないかなどのチェックはする必要があります。PDFデータの場合でも、画面上で見たデータが、別のPC環境でもそのまま印刷されるのでほとんど問題は無いと思います。

それに対し、AutoCAD(DWG)データを他社に渡す場合には、幾つか注意が必要です。Illustratorや互換ソフト上で正確に再現されないのは当然ですが、相手先が同じAutoCADで読み込んだ場合でも正しく再現しない事があります。注意点としては下記のような事項が挙げられます。

  1. AutoCADのバージョン
  2. 印刷スタイルテーブル
  3. 不要な項目の削除
  4. 外部参照の削除
  5. 図面プロパティ
  6. 独自フォント
  7. オリジナルハッチング
  8. オリジナル線種
1.AutoCADのバージョン

当然ですが、DWGであっても最新バージョンで保存されたDWGファイルは古いAutoCADに読み込むことはできません。例えばAtuCAD2017を使っていて、取引先がAutoCAD2010~2012のいずれかのバージョンである場合です。デフォルトのバージョンでは読み込みできないので、保存する際には2010形式で保存してから渡す必要があります。もし取引先が限られており、いつも2010形式に変更して保存して送っているなら、保存する際に毎回バージョンを変更するのは面倒です。次のようにしておけば作業が簡単になります。

(1) [図面に名前を付けて保存]ダイアログボックスから右上の[ツール]>[オプション]の順に選択します。

名前を付けて保存 ツール オプション

 

(2)  [名前を付けて保存オプション]ダイアログボックスの[DWG オプション]で、「全図面の保存形式」にAutoCAD 2010/LT2010図面(*dwg)を選択します。

名前を付けて保存オプション 保存形式

一度このように設定しておけば、次からは自動的に2010形式で保存されるようになります。2.以降についての解説については、また日をあらためて書こうと思います。

上記とは逆に、「他社から図面データを受け取ったら文字化けしていた」という場合はこちらの記事をご覧ください。
他社から受け取ったDWGデータ上の文字化けを修正する方法

 

2018年3月22日追記
注記事項の2.印刷スタイルテーブルについて関連記事を追加しました。
印刷スタイルテーブルはそのままで各種表現の印刷を行なう

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コメント

  1. […] 前回の記事で、AutoCADで作成したDWGデータを他社に渡す時の注意事項を書きました。その2番目の項目「印刷スタイルテーブル」について書いてみます。印刷スタイルテーブルは図面をPDFやプリンタに出力する際、最終的な色や線の太さをコントロールする時に使用します。一般的によく使用されているのは、カラーの場合はacad.ctb、モノクロの場合はmonochrome.ctbだと思います。 […]

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