パーツの寸法バリエーションを切り替えて、アセンブリに配置する

Inventor アセンブリ 配置 3Dデータ作成/3Dプリント

Inventorなど製造系3次元CADソフトでは、個々の部品(パーツ)を作成した後に、組立(アセンブリ)していくのが基本的な流れです。勿論その逆の方法もありますが、基礎教育ではまずはパーツデータの作り方から解説することが多いでしょう。

機械の組み立てに使用する部品では、形状が同じで寸法違いのものが数多く使われています。ボルト・ねじ等の締結部品もその代表と言えます。例えば同じ形をした六角ナットでも雌ねじの直径が違ったり、六角形の大きさや厚みが使用箇所によって異なります。ボルトについてはさらにネジ長さもパラメータとして加わります。

締結部品のように一般的によく使用される機械要素については、製造系3次元CADではライブラリーとして予め用意されていることが多いようです。標準部品をアセンブリ空間に配置する際に、サイズを入力したり、リストから選択して配置していきます。しかし、ライブラリに登録されていないオリジナルパーツでは、同一形状で寸法違いのものがあれば、基本的にはその種類だけパーツファイルを作成しなければならないことになります。寸法バリエーションが多くなるとパーツファイルの数も増え、ファイル管理が大変です。このような場合、3次元CADにはファイル管理の手間を削減する様々な機能が用意されており、そのひとつとして、InventorではiPartという機能があります。

サンプルとして簡単な形状のデスクを単体パーツとして作成しました。ちなみに実際の業務ではデスクを単体パーツとして作成することはありません。このようなシンプルなデスクでも最低4枚の板からできており、更に組立のネジ類も必要となります。通常、デスクの3Dモデルはアセンブリデータとして完成させます。

Inventor デスク iPart

 

このデスクは幅寸法が1200mmと1800mm、奥行寸法が600mmと450mm、それぞれ2種類用意されているものとします。組み合わせによりサイズ違いで4種類のものが存在します。これらをアセンブリに配置したものが下図となります。

アセンブリ 配置

 

4種類のデスクが並んでいますが、元になるパーツファイルはdesk-A.iptの1個のみです。desk-A.ipt内に2種類の幅寸法と2種類の奥行き寸法をテーブルとして持っているので、このような配置が可能となります。iPartsの具体的な操作についてはあらためて記事にしたいと思います。

iPart テーブル

 

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コメント

  1. […] 前回の記事「パーツの寸法バリエーションを切り替えて、アセンブリに配置する」で簡単なデスクを扱いました。このような単体パーツの作成方法は様々ですが、そのうちのひとつ、「シェル」を使った作成手順とそれに付随する寸法情報の確認方法を紹介いたします。Inventorを使って作成するデスクの寸法は、幅:1000mm、奥行:600mm、高さ:700mm、板厚が30mmだとします。 […]

  2. […] 以前の記事「パーツの寸法バリエーションを切り替えて、アセンブリに配置する」の中でInventorの機能のひとつであるiPartの紹介をしました。寸法バリエーションがある部品であっても、1つのファイルだけで処理が可能となる便利な機能です。SOLIDWORKSにおける「コンフィギュレーション」のように、製造系3次元CADの多くは同様の機能を備えています。残念ながら今のところ、Fusion 360には同等の機能は存在しません。 […]

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