写真から空間座標値を得る

弊社では写真から3Dデータ作成を行う業務も行っていますが、その多くは、実態を撮影した写真データから、3次元形状を再現するというものです。その為、作業の大部分は工業デザイナーがよく使用している3Dサーフェスモデラーといわれる3次元CADを使用します。その業務においてはSolidworksやInventorのような、いわゆる製造系3次元CADを用いることはありません。3次元空間上に存在する多数の点を位置を求め、その点の位置からベースとなる3次元空間曲線を作成し、それを元にサーフェス面を貼っていく方法がこれまで弊社が実施した主な手法でした。

自動的に色情報、マテリアルも含んだ3Dデータを生成するソフトウエアもありますが、それらは使用できません。弊社への依頼は業務の特性上、形状が重視されるので、特定の距離の正確さや曲面の再現性が要求されます。その為、自動処理ではできない工程が数多く存在します。

そんな仕事の中にはこんなご依頼もあります。
「トレーラーに積載されている重機の最高地点の高さを知りたい。」
提供いただいた資料は現地で撮影された数点の写真でした。恐らく高さが制約がある場所に搬入する必要があってのことだろうと思います。

日本国内の仕事で、現地に入ることができれば、現物を直接測定したり、3Dスキャナで測ったり、測量で求めることができるので、そういったサービスを行っている業者は数多く存在します。

一方、写真からデータを求める場合、何らかの理由により、写真しか情報がないということになります。
・現地に入ることができない
・間接的な依頼
など事情は様々です。そんな事情もあってか、仕事で提供される写真もほんの僅かしかありません。勿論写真の数が多ければ多いほど正確な割り出しができるのは言うまでもありません。

「スマホで写真を撮って簡単に3Dができる」等のキャッチフレーズのソフトも数多く出回っています。但しそれらは、基本的に個人的な趣味あるいはエンタテーメント用途のものでしょう。

ビジネスとして法人からご依頼をいただく業務は、地味でニッチなものです。今回は一般社団法人からのご依頼でしたがお話を聞けば、この業務を委託するにあたり、ネット上でかなり検索した結果、ようやく弊社のホームページにたどり着かれたとのことでした。その仕事は全国各地にある事業所のうち、愛知県の事業所からの依頼でしたが、学生時代、私はその兵庫県内の事業所でアルバイトしていた経験があり、懐かしさを感じました。

作業としては写真上の特徴点について、複数枚の写真を比較しながら、ソフトウエアを使って空間座標を割り出していきます。できるだけ多くの特徴点について空間座標(x、y、z)を求めたほうが精度があがります。写真は対象物の周囲360度を1周しながら、上中下、できるだけ様々な方向から撮影した写真があると正確です。実際の業務ではそのような理想的な資料が提供されることはなく、今回は4枚の写真だけでした。対象物だけではなく、地面の模様や背景に写っている建物も手がかりにしていきます。

弊社で撮影が可能な場合には、レンズの焦点距離は一定にした状態で撮影します。また、カメラ・レンズ等の撮影条件も重要な情報となります。

以上のような操作で、相対的な空間座標を求めていきます。距離の離れた特徴点の現地実測値がわかれば、各地点の絶対座標値が確定します。と言ってもそもそも現地実測ができないから、弊社にご依頼がある訳です。実測できない代わりに、トレーラーのカタログ寸法の提供があり、その値から割り出すことになりました。

お客様に納品(算出結果報告)するのは、最高地点の地面からの高さのみですが、算出の裏づけとなるデータも提出します。実際には各写真の上に特徴点のポイントを表示し、それぞれのポイントの3次元座標を一覧表にしたものを測定結果報告書として提出します。今回の業務では約50点の3次元空間座標を求めています。

写真はイメージです。実際の業務のものとは異なります。

※参考

写真から3Dを作るスマホアプリは、Autodesk 123D Catchが有名でしたが、現在は開発を終了しています。無料で利用できるので、私も使ったことがありますが、今回の記事のように正確さを必要とする業務には向いていません。但し形状や色などの情報を3次元で再現できるので、ちょっとモニター内でグリグリ回して楽しみたいという要求は満たしてくれると思います。

今後、Tinkercad Fusion 360 Autodesk ReMake などに機能を統合していくそうです。現在123Dで検索すると、 Tinkercad のWebサイトにリダイレクトされるようになっています。 Tinkercad はCAD入門用、子供向けのソフトとして広がっていくかもしれません。一度使ってみて、その使用感などはまたご紹介したいと思います。

現物から意匠図面を作成-寝具・インテリア

今回の記事のタイトルは、かなり紛らわしいものになってしまいました(^_^;)

「意匠図面」の意味としては主に2種類あります。
(1)建物の形や間取りを表す建築用語
(2)デザインを保護する事を目的として意匠登録を行なう為に作成する図面
という訳で「意匠図面」をキーワードに検索する時には、「建築」とか「特許庁」等、分野に応じて区別して検索する必要があります。

今回のタイトルに「寝具・インテリア」と付いているので、建築関連かと思われたかもしれません。弊社としては上記の(1)(2)いずれにも関わる業務を行なっていますが、今回の内容は(2)のほうです。

弊社では、寝具・インテリア売り場に置いてあるような商品。その現物をお預かりして、意匠登録用の意匠図面を作成する仕事もあります。先日作成した物品は、ふわふわしたもの。押せばへこみ、引っ張れば伸びるという、形状がしっかりと定まらないものでした。勿論図面などは無く、あるのは現物のみ。このような商品は通常、写真意匠として依頼されることが多いのですが、今回は線図のご指定でした。必要図として六面図以外に、斜視図・断面図が必要となる作業です。

まずはメジャー、ものさしを使って外形寸法を測っていきます。またカーブ形状を確認する為に写真撮影をします。その後測定した寸法を参考に、写真トレースをしながら形状を確定していきます。

現物があるなら、3Dスキャナで形状スキャンすれば簡単では?と思われるかもしれません。リバースエンジニアリングが目的なら確かにそれが一番ですね。あいにく弊社には大きな形状に対応した高精度の3Dスキャナはありません。リバースエンジニアリング用途の時には専門業者に委託することもありますが、時間とお金がかかります。(おそらく今回の商品サイズならスキャン費用10万円以上で納期10日ぐらいかと思われます。)

意匠図面の場合には、最終的に必要なものは2次元の画像データなので、わざわざ時間とお金をかけて3次元形状を求める必要は無いわけです。そんな理由で今回の場合には3Dスキャナは使用しませんでした。また弊社には撮影した写真から3D形状が作成できるソフトウエア(ウン十万円します)もあります。こちらも撮影と編集作業の手間から、今回の作業には適していません。コンピュータ任せの自動処理の方が、逆に求める品質が得られないこともあります。

物品には直線や平面が一つもない、全て自由曲面で構成された形状です。六面図と斜視図だけなら、寸法測定と写真撮影を行なった後、現物を見ながら(触りながら)職人技?を使って、CAD上で描画し完成まで持っていきます。

ところが今回の案件では斜めに切断した断面図も要求されていました。自由曲面で囲まれた窪み部分の断面形状を外観だけから想像して描くことは不可能です。絵画なら想像して描けますが、意匠図面では各図面の整合性が要求されます。断面図であっても正確に描かれていなければなりません。

いびつな形のじゃがいもを斜めに切った切り口の形状を正確に作図する事をイメージしてください。じゃがいもなら、必要な個所を包丁で切ればいいだけですが、預かっている物品をカッターで切断する訳にはいきません。

そこで、今回は3DCADを使って物品形状をまずは作成した後、断面形状を得ることにしました。3D形状を作ることによって、単に正確な断面形状が得られるばかりでは無く、六面図や斜視図の正確性をチェックすることができます。

他にも気を付けなければならないことがあります。この物品は形状が自由に変形させる事ができるものです。その商品の特徴が最もよく現れる状態の形状、いわゆる意匠登録したい形状は商品の機能上、ある程度絞られてきます。但しクライアントが理想とする形状と弊社が考える形状とは、若干異なる場合があります。

よかれと思って完成した意匠図面。その整合性は完璧に取れていても、クライアントの求めるイメージとは合わない場合もあります。現物と完全に一致した図面を完成させることが、依頼される際の要望事項ではありますが、それが意匠登録の目的ではありません。例え提供された現物とは異なったとしても、クライアントが意匠登録したいと考える形状に近づける為に敢えて修正を加えることも多々あります。

意匠図面を作成する物品の形状は、その目的からすればデザインに特徴があるものがほとんどです。機械装置部品のように単なる機能部品のようなものはほとんどありません。なので必然的に自由形状曲面を多用したものが多くなります。3D-CADで作るといっても、単に2Dスケッチして押し出せばよいという物はありません。

現物から線画の意匠図面を作成することは弊社の業務としても多く、その都度最も効率的な方法を考えながら作成しています。10件の依頼があれば、毎回実施する作成方法も10通り。日々ソフトウエアの機能も進歩しているので、1年前と同じような案件だから今回も前に行なった方法と同じ方法で、という訳にはいかず、状況に応じて作成方法を考えて行きます。こんな時、様々なツール(ハード・ソフト)、いわゆる沢山の「引出し」あると便利です。

治具設計と3Dプリンタ

弊社では治具の設計・製作の依頼をいただくことがあります。設計はオートデスクInventorを使い、製作は外部の3Dプリンタ造形委託で対応しています。社内にも家庭用3Dプリンタはありますが、使える材料も限られており、精度の面でとても業務に使えるレベルではありません。仕事で使える3Dプリンタとなると、数百万円以上はするし、維持費も相当なもの。また業務の種類に応じて、材料も変えなければならないので、使用する3Dプリンタも変わります。1年365日フル稼働させる必要がある会社では、導入のメリットもあるでしょうが、弊社のようにスポットで造形業務を行なうような会社にとって、3Dプリント業者はありがたい存在です。

私がまだ工作機械メーカーの生産技術課にいた時には、様々な治具を設計していました。現場の作業者の声を直接聞いて、部品加工や装置を組み立てる時のツール(補助具)として役立ててもらうことが目的です。治具を使う事によって作業工数が大幅に短縮できます。家庭用品で言えば、アイデア商品のようなものでしょうか。

当時設計した治具は、ほとんどが金属加工したものでした。部品加工に使うような治具は加工精度も要求されます。そのような治具は社内の工場で加工してもらったり、外部の協力工場へ依頼します。また運搬具(台車)のような大きなものも設計しました。主に形鋼を使うので、いわゆる製缶工場に依頼します。重量物の運搬には装置を傷つけないよう、木材を使うこともあります。そんな時は材木屋さんのお世話になります。私がいた部署にはまだCADが導入されておらず、ドラフターも無かったので、図面は簡易製図機で描いていました。(自宅には技能検定用に個人で買ったドラフターがありましたが)

あれからおよそ30年経った現在、3Dプリンタが使われるようになってからは、3Dデータさえ作成できれば、誰でもオリジナルの完成品を手に入れることができるようになりました。とは言え、そこは仕事ですから様々な制約があります。最近依頼のあった治具の仕事の場合は、まず打ち合わせからとなりますが、問題なのは現地を実際に確認できないことでした。治具を設計する場合、通常対象物(ワーク)の形状を現物や図面で確認することからスタートします。今回の仕事の場合、寸法の手がかりになるのはあくまで写真のみで、図面は一切存在しません。クライアントが現地で測定したわずかな情報が頼りでした。

治具そのものの精度も必要であった為、材料も高価なアクリルを使いました。ナイロンで造形するときよりも、造形費用は6倍以上かかります。「もし作ってから、実際に現地で取り付けられなかったら?」という不安があります。金属加工ですと、追加工などで対応することもありますが、今回の3Dプリンタ造形では修正ができない一発勝負。時間があれば安いナイロンでまずは試作品を作ってから、チェックすることもあります。

3Dプリンタの材料は樹脂だから軽いという印象がありますが、アクリルは意外に重いんです。Inventorで設計した後に、比重を与えてたわみ等もチェック。軽量化・コストダウンの為に内部を空洞にしたり、配線穴・センサーの取り付け等の取り付け等を考慮した形を考えていきます。「形状はこれで決まった」と思ったその日の夜、一晩布団の中で考えを巡らすうちに別のアイデアが生まれることも度々。

こんな時、機械加工における形状の制約を考慮せず、自由に形状を決められるのが、3Dプリント部品の良いところですね。機械加工だとこの場所にエンドミルが入るのかなど、検討する要素が増えてしまいます。3Dプリンタで作る場合には、ほとんど機能性のことだけを考えれば良いので、その辺が嬉しいところです。

一般的にパーツは3Dプリンタ造形でも、ボルト・ナット等の締結部品に限っては市販のものを使用するのが普通ですが、今回の使用条件に制約があって、それは認められませんでした。3Dプリンタ造形では、嵌合するような機構がある場合にはちょっと厄介です。もちろんおもちゃのパズルのようなものだと全然問題は無いのですが、機械装置の一部に取り付けられるものなので簡単ににはいきません。さらに樹脂の収縮の問題もあります。

最も気を使ったのはねじの嵌合。雄ねじと雌ねじのクリアランスをどの程度にとれば良いのか試行錯誤しました。流石にこの時は、最初にアクリルでねじの試作品を作りチェックしました。うまくハマったと安心しても油断は禁物!ねじ締結は大きな締め付けトルクがかかります。安心してるとポキっ!といきかねません。組み立てるときも細心の注意が必要です。

参考までに3Dプリンタで作成したねじのマイクロスコープ写真を載せておきます。一見アクリルねじの表面がざらついて精度が悪いように見えますが、結構な精度が出ています。

アクリルの雄ねじ(斜視)
アクリルの雄ねじ(正面)
ABSの雄ねじ(斜視)
ABSの雄ねじ(正面)

Inventorで完成したら、いよいよSTLへの書き出しです。書き出しオプションで細かく設定します。
Inventor STL書き出しオプション

精密な嵌合パーツの場合には、解像度を[高]に設定しただけにせず、具体的に各項目の数値を決めて設定したほうが安全だと思います。

建築図面読み込み時の状況、外部参照と画層設定

建築図面のDWG、DXFデータを提供いただいて、AutoCADを使って編集する業務があります。他社で作成された図面を開くと、普段は遭遇しない状況になることがあるので幾つかご紹介します。

ご存知のように、AutoCADのファイル形式は主に次の2種類です。
DWG
オートデスク社が定めた図面ファイル形式。2次元図面のデファクトスタンダードとなっています。
DXF
他のCADソフトウェアとのファイル交換するための形式です。これについてもオートデスクが定めた形式です。

2次元図面形式としては、上記2種類のいずれかの形式で提供されることがほとんどです。またオートデスク社以外のCADソフトウエアでも、DXFデータの読み込み・書き出しができるようになっています。その為、提供されたDWG、DXFが、AuroCADを使って作成されたデータではなく、他のCADで作成されたものも数多くあります。

AutoCADで作成されたDWGを開くと、次のようなメッセージが表示されつつ、バージョンの問題がなければ普通に開くことができます。このようなDWGファイルはTrustedDWG(信頼できるDWG)として区別されています。

Autodesk DWG です。このファイルはオートデスクの開発した、またはライセンスを受けたアプリケーションによって保存された、TrustedDWG ファイルです。

 

それに対し、オートデスク社以外のCADソフトウエアで作成されたDWGを開くと、次のような警告のメッセージが表示されます。ちょっと怖い感じがしますね。

非ネイティブのDWGファイル

「他のCADソフトで作られたものだから、ちょっと勝手が違うかもしれない」と思いつつ、[DWGファイルを開く]を選択します。

 

TrustedDWGを開く場合には、何の問題も無さそうですが、ファイルによってはこんな警告が出る場合があります。

AECオブジェクト

AECオブジェクトは下記のソフトウエアで作成されたオブジェクトです。
AutoCAD Architecture
Autodesk Architectural Desktop
AutoCAD Map 3D
AutoCAD Civil 3D

この図面はAutoCAD Architectureで作成されたものかもしれません。

 

さらにこんなメッセージが出ることもあります。

外部参照

外部参照の機能を使っている図面で、参照している図面が見つからない場合に表示されたます。最初作成した状態からファイルの保存先が移動したような場合に現れます。

[参照ファイルの場所を更新する]を選択すると、[外部参照]パレットが開きます。
4行目のDWGファイルが「!見つかりません」と表示されているので、ファイルの位置が変わってしまっているようです。

外部参照パレット

外部参照を使用した図面データの提供を受ける際、オリジナルの保存状態のまま、丸ごと一括で受け取ることができれば、あまり問題は生じません。但しフォルダの構成が変わった状態だと、元の参照ファイルを探し出すのに苦労することがあります。建築図面(DWG、DXF)のPDF変換を行なうことがありますが、なかなか右から左へスンナリという訳にはいきません。

最近行なった業務として、物流倉庫の大量の建築設計図面(DWG、DXF)の処理がありました。構造図、施工図、電気・設備図、空調・衛生図他各種詳細図の編集を行なう訳ですが、最も手間のかかる部分は、外部参照データの調査です。外部参照が適切でないと、図枠だけが表示されて中身は空ということになってしまいます。

一つの工事物件でも、スーパーゼネコン作成の図面もあれば、設備会社作成の図面もあり、複数の企業が作成した多種多様の様式の図面が混在しています。また、AutoCADをはじめオートデスク社のCADソフトで作成された図面データもあれば、他社のCADソフトで作成された図面もあります。図面の設定方法も各社様々です。それぞれの違いを比較してみると興味深いものがあります。たとえば画層設定に注目すると下記の傾向が見受けられます。

画層の数
連番で自動的に付けられているものを除けば、建築平面図等、広いエリアを表す図面ではそれぞれの意味を持たせた画層の数は50~100程度に設定されています。また部分的な設備図面では、「0」と「Defpoints」以外には一つの画層しか設定されていない図面もありました。

画層名
意識して日本語全角で付けていたり、英数半角にしている図面がある一方で、他のCADから書き出される際の設定等で決まってしまう図面もあるようです。他のソフトウエアへデータを渡すことが想定される場合には、画層名は英数半角文字にしておくのが無難でしょう。

線の太さ
画層の線の太さを設定せず、印刷スタイルテーブルのctbファイルでコントロールしている図面があります。昔からAutoCADを使っている会社に多いかもしれません。最近作成された図面では、各画層に線の太さを設定しておき、印刷スタイルテーブルのmonochrome.ctbを指定して印刷することが多いのではないでしょうか。

テクニカルイラストレーション 平成29年度後期技能検定について

一昨日、兵庫県職業能力開発協会が主催する説明会に出席してきました。
「平成29年度後期技能検定等の実施に係る説明会」
技能検定(実技試験)を実施する事業所の事務担当者が出席する会議です。

弊社はテクニカルイラストレーションCAD作業の実技試験会場となっているので、今年度の実施内容を聞いてきました。実技試験実施日は平成30年1月14日です。

会社の所在地が大阪なのに、何故兵庫県?と疑問に思われるかもしれませんね。その理由をこれからお話します。

検定職種としてテクニカルイラストレーションの作業には「手書き」と「CAD」の2種類の設定があります。いずれを実施するか都道府県によって違いがあります。

平成29年度後期でテクニカルイラストレーション試験を実施するのは下記の都道府県です。
「手書き」と「CAD」の両方を実施する都県—茨城、栃木、群馬、千葉、東京、神奈川、岐阜、静岡、三重、高知、佐賀、長崎
「手書き」のみ実施する府県—愛知、大阪、奈良、熊本
「CAD」のみ実施する県—山形、新潟、山梨、兵庫

このように、大阪府は「CAD」は実施していません。過去に問い合わせた際、CADによる不公平さに問題があるとの見解でした。テクニカルイラストレーションに近い職種として、「機械・プラント製図」があります。この職種についても平成29年度後期は「手書き」のみ実施となっているので、現在も大阪府の方針は貫かれているのでしょうか?

技能検定の実施を計画した2011年当時、実際の事業所は大阪でしたが、登記上の本社はまだ兵庫県にありました。私も含め、社員のほとんどが兵庫県在住です。「ならば兵庫県で」ということで、協会に問い合わせたところ、とても前向きな回答をいただき、それからのご縁となっています。

昨年までは東京都も長年の間、テクニカルイラストレーション技能検定が実施されていませんでした。その為、東京在住者であっても神奈川や千葉に受験しに行かねばならないということでした。平成28年度の試験では東京在住の方が、大阪にある弊社事業所で2級を受験し合格しましたが、合格証書は兵庫県知事ということになります。住んでいる地域に関係なく全国どこで受験しても良いことになっているのです。

とは言え、日本の中心東京都で実施されない状況が続くのもよくないと思っていました。今年になって日本ビジュアルコミュニケーション協会(通称:JAVC)が、東京都職業能力開発協会に要望した結果、ようやく今期から東京での実施が決まりました。ちなみに弊社はJAVC関西支部として、テクニカルイラストレーションの教育活動を行なっています。

平成29年度技能検定

テクニカルイラストレーション技能検定の内容について、話を元に戻します。
テクニカルイラストレーションについては1~3級の等級がありますが、1級、2級は隔年実施の為、今年度は3級のみの実施となります。1,2級の受験を検討されている方は、平成30年9月の公示までまだ1年あります。この1年間しっかりと準備しておいてください。

実施日程
受験申請:平成29年10月2日(月)~10月13日(金)
実技試験問題公表:平成29年11月27日(月)
実技試験日:平成30年1月14日(日)
学科試験日:平成30年2月4日(日)
合格発表日:平成30年3月16日(金)

今年度の技能検定試験では昨年までと大きく異る点があります。
(1)受験申請時に本人確認書類として、運転免許証等の写しの提出が必要です。
(2)2・3級の実技試験の受験において、実技試験手数料の減免措置が受けられます。
(3)上記(1)(2)より、受験申請書の様式が変わりました。

関西地方おび中国地方で、テクニカルイラストレーションCAD作業を実施するのは兵庫県のみとなっています。もしそのエリアにお住まいの方で、受験を検討されている方は今のうちに、弊社にお問い合わせください。
ニテコ図研お問い合わせページ

弊社での受け入れ人数には限りがあります。定員に達した場合には締め切らせていただきます。また、受験希望者が2名に満たない場合には実技試験の実施を中止いたします。

テクニカルイラストレーションに限ったことではありませんが、試験予定となっている各都道府県であっても、設備の都合で実技試験の人員に制限枠があり、先着順に受理することが多いようです。また受験者が少ない場合は、実技試験を実施しないことがあります。その為、受験申請期間中に実技試験実施場所の確定・確認を早めにしておく必要があるのでご注意ください。

 

技能検定制度ついての詳しい情報

技能検定について(中央職業能力開発協会)

技能検定について(兵庫県職業能力開発協会)

 

テクニカルイラストレーション技能検定試験の勉強方法について

テクニカルイラスト関連セミナーの開催情報—日本ビジュアルコミュニケーション協会

AutoCADを使ったテクニカルイラスト作成のトレーニング—CADCIL(弊社運営のCADスクール)

LibreOffice 表示不具合への対応策

外部へ提出する書類を作成するため、Microsoft Officeは個々のPCにインストールしていますが、社内用の書類は昔からフリー&オープンソースのオフィススイートであるLibreOfficeを使っています。

まだMicrosoft Officeがパッケージで販売されていた時代に、経費節減を目的にOpenOffice.orgを使い始めたのがその始まり。その後LibreOfficeがその後継となってからもずっと使い続けています。

勿論、業務上Microsoft Officeを全く使わないという訳にはいかないので、Office 365も導入していますが、使用頻度はとても少ないです。

日報、見積書、請求書、住所録はExcelではなくCalc
FAX文書はWordではなくWriter

私に限って言えば、セミナー用のプレゼンデータでさえ、PowerPointではなくImpressで作成。
さらに配布資料は通常Drawで作成しています。

 

新しく購入したノートPCにLibreOffice 5.3をインストールしたところ画面表示に不具合が発生していました。
ネットで検索してもなかなかマッチする回答が得られません。

・画面の周囲が切れる。
・メニューバーが表示されない。

LibreOfficeの画面表示がおかしい

Windows10、Geforce GTX1050のPCで、グラッフィクの設定が原因かとも思っていたのですが、そのまま放置していました。

昨日の朝になっていよいよ使う必要が出てきたので、より新しいバージョンであるLibreOffice 5.4をまずはインストール。

しかしながら、症状に変化なし。

 

その後ようやく解決しましたので、手順を書いておきます。

(1)メニューバーは表示されませんが、上部のアイコンを順にクリックしていくと、何故かプルダウンメニューが現れます。

(2)Calcの場合は、下図の位置でアイコンをクリックすると、一番下に[オプション]が出てきます。

LibreOffice オプション

(3)[オプション]をクリック。

(4)左側のツリーから[表示]を選択。

LibreOffice 表示設定 OpenGL

(5)[すべてのレンダリングにOpenGLを使用する]のチェックを外します。

(6)[OK]をクリック。

(7)[すぐに再起動]をクリック。

LibreOfficeの再起動

(8)再度Calcを起動すると、正常に表示されるようになりました。

※注意

画面上で見えているマウスカーソルの位置と実際に反応する位置とは少しずれるので、クリックを繰り返して、反応する位置を確かめながら操作する必要があります。

 

※余談

時々、特許事務所様からVisioで特許図面の作成のお問い合わせをいただくことがあります。Visioは単独で購入すると結構な値段がするはずです。
フローチャートの作成などには適していると思いますが、ちょっとイレギュラーな表現を加えるとなると、簡単には対応できません。
どうしてもVisioを使いたいということであれば、同等の操作性と機能を持つDrawが良いと思っています。

全天周コンテンツコンテスト2017 作品募集中

全天周コンテンツコンテスト2017に応募しませんか?

応募締切(延長)2017年9月15日(金)消印有効

知り合いの富山大学の先生が、実行委員会を運営されていて、私も応募してみました。

CGでも実写でもOK。静止画でも動画でもOKです。

全天周コンテンツコンテスト2017

 

当初、3dsMAXを使ったCG動画を作りかけていたのですが、8月末の締切まで時間的な余裕がなく断念し、急遽実写カテゴリ-静止画部門に切り替えて応募しました。

昨日になって、応募締切日が延長になった旨の連絡が来ました。(>_<)

 

私が応募したのは4096px×4096pxのドームマスター形式。

これまで全天周画像は作成したことがなく、勿論ドームマスター形式も初めてです。

とは言っても、ファイルフォーマットは一般的なJPEGファイル。

画像の表示範囲を直径4096pxの真円内に収めれればいいだけです。

 

優秀作品は富山市科学博物館のプラネタリウムに投影される予定ですが、問題は実際にどのように見えるのか、事前検証ができないこと。

富山市科学博物館
富山市のホームページより

自宅に直径18mのプラネタリウムを持っていれば別ですが・・・。

募集要項
http://www.tsujiai.com/fulldome2017/

 

DWGやDXFデータからPDFへの変換

図面データ(DWG、DXF)の中身を確認するには、一般的にCADソフトウエアが必要です。CADソフトが無い職場でも、無償のAdobe Readerをインストールされているところがほとんどでしょう。

そんな理由でAutoCADで図面を作成した場合でも、作業途中のチェックや他のソフトウエアへの読み込み用、或いは最終納品の為にPDFデータを作成することは数多く発生します。
また、他社で作成されたDWG、DXFデータから2次元PDFへの変換作業のご依頼をいただくこともあります。

AutoCADでDWGやDXFデータを読み込んだ後、PDFにする手順については様々な方法がありますが、今回はその中の一つをご紹介します。

A4縦サイズ、モノクロの場合

(1)A4縦サイズのレイアウト上で、図面が正しい尺度に設定されており、線種・線幅・注釈・寸法が適正に表示されるようにします。

(2)印刷したいレイアウトタブを右クリック>[印刷]

(3)[印刷]ダイアログボックスが開きます。

印刷ダイアログボックス

(4)[プリンタ/プロッタ]
AutoCAD PDF(General Documentation).pc3を選択します。

(5)[PDFオプション]をクリック

PDFオプション

(6)[フォントの取扱い]
右下の「図面内で使用されているフォントをキャプチャ」のチェックを外して、
「すべての文字をジオメトリに変換」をチェック。

(7)[OK]をクリックして、[印刷]ダイアログボックスに戻ります。

(8)[用紙サイズ]
ISO フルブリード A4 (210.00 × 297.00)を選択。

(9)[印刷スタイルテーブル]
monochrome.ctbを選択。

(10)[図面の方向]
[縦]にチェック。

(11)[プレビュー]をクリック。

(12)右クリックして、[印刷](やり直したい時は[終了])をクリック。

(13)[印刷ファイルを参照]ダイアログボックスが開きます。

(14)保存先、ファイル名を設定して[保存]をクリック。

(15)PDFファイルが保存されます。

このPDFファイルはAutoCADで作成された画層(レイヤー)情報も含んでいます。

Adobe Reader上で、特定の画層を表示・非表示できるのはいいですね。

PDF上での画層表示

解説

(1)A4縦サイズのレイアウト上で、図面が正しい尺度に設定されており、線種・線幅・注釈・寸法が適正に表示されるようにします。
実際にはこれがAutoCAD初心者にとっては難しく、解説書やヘルプを読んでもなかなか理解できないところ。また研修でもよく質問を受けるので、時間をかけてじっくり説明するようにしています。

 

(4)[プリンタ/プロッタ]
AutoCAD PDFには4種類ありますが、それぞれ解像度が異なるのが主な違いです。
General Documentation
・ベクトルの品質 1200dpi  ラスターイメージの品質 400dpi
High Quality Print
・ベクトルの品質 2400dpi  ラスターイメージの品質 600dpi
Smallest File
・ベクトルの品質 400dpi  ラスターイメージの品質 200dpi
・画層やリンク等の情報を省略
Web and Mobile
・ベクトルの品質 400dpi  ラスターイメージの品質 200dpi

 

(5)[フォントの取扱い]
AutoCADの画面上で見えている文字が、PDFに変換すると文字間隔等が変わってしまうことがあります。そのような場合には「すべての文字をジオメトリに変換」をチェックします。
ジオメトリに変換した場合でも、PDF上で文字を検索することは可能です。

 

(8)[用紙サイズ]
[プリンタ/プロッタ]でAutoCAD PDFを選んだ際、用紙サイズのリストにはA4だけでも、何種類かの選択候補が出てきます。
・ISO フルブリード A4 (297.00 × 210.00)
・ISO フルブリード A4 (210.00 × 297.00)
・ISO 拡張 A4 (297.00 × 210.00)
・ISO 拡張 A4 (210.00 × 297.00)
・ISO A4 (210.00 × 297.00)
・ISO A4 (297.00 × 210.00)
通常、A4縦に印刷する場合には、 (210.00 × 297.00)を、横に印刷する場合には、 (297.00 × 210.00)を選びます。
フルブリードは最もマージン(余白)が少なく、A4図枠内の広い範囲が印刷可能です。具体的なマージンの値は0.8mmです。
ISO フルブリード A4 (210.00 × 297.00)にページ設定されたレイアウト上には、A4縦の用紙が表示されますが、その用紙の内側に0.8mmオフセットされた破線の長方形が印刷範囲となります。
このレイアウト上での絶対座標原点(0,0)は用紙の左下でなく、破線長方形の左下点であり、A4用紙の左下端点を座標指定する場合には、#-0.8,-0.8となります。

 

※PDFを印刷する際の注意事項
せっかく正確な尺度のPDFファイルを作成しても、「用紙に印刷したけれど尺度が合わない(少し小さい)という声もよく聞きます。PDFを印刷する際の設定を間違っている事が原因です。
PDF印刷時のダイアログボックスで、[ページサイズ処理]において、「合わせる」ではなく「実際のサイズ」を選択します。
「合わせる」にすると、図面全体が、プリンタのマージン内に収まるよう、少し縮小して印刷されるので注意が必要です。

PDFからの印刷

他社から受け取ったDWGデータ上の文字化けを修正する方法

他社から受け取ったDWGやDXFをAtuoCADで読み込むと、文字化けしていたという経験はありませんか?

例えばこんな状態。

DWGデータ上の文字化け

全角文字が、?や四角形に化けています。

AutoCADの出張研修に伺うと、このような症状について度々質問を受けますが、簡単に直せるのでご紹介します。

 

(1)[注釈]タブ>[文字]パネル

(2)文字化けしている文字をクリックして、[文字]パネルの最上段に表示されるスタイル名を確認します。例えば「スタイル1」が表示されているとします。

文字パネル

(3)[文字]パネル>パネルダイアログボックスランチャー(右下向きの矢印)をクリックして、[文字スタイル管理]ダイアログボックスを開きます。

(4)スタイルのリストから、「スタイル1」をクリック。

[文字スタイル管理]ダイアログボックス

(5)[フォント名]にワードで使っている標準的なフォント(MSゴシック等)を選択。この時[ビッグフォントを使用]のチェックが入っていたら外します。

[文字スタイル管理]ダイアログボックス

(6)[適用]をクリックして[閉じる]をクリック。

(7)再作図を実行します。 RE[Enter]

(8)他の文字についても同様の処理をします。

(9)文字化けしていた文字がMSゴシック体で表示されるようになります。下段の文字は幅係数が0.8に設定されています。

 

解説

上段は??のように文字化けしています。
文字スタイルにSHXフォントが設定された状態で、適切なビッグフォントが設定されていない場合に発生します。

下段は四角形の文字化けになっています。
デフォルトの文字スタイルであるStandard(フォント名:Arial)を使って全角文字を記入した時に発生します。文字の幅係数を1以外にしたり、傾斜角度を設定すると四角形に文字化けしてしまいます。

AutoCAD 回転させない円形状配列複写の基準円

先日、AutoCAD入門・基礎講座を弊社で実施した際、次のような質問がありました。

「円形状配列複写(arraypolar)において、オブジェクトを回転させないで実行した時、何を基準に円形状に配列しているのですか?」

Fig.1

Fig.1のように、大小の円が斜めに並んでいるオブジェクトを、通常の方法で円形状配列複写させると、Fig.2のようなカタチになります。一般によく利用されるカタチですね。

Fig.2

 

一方、オブジェクトを回転させないオプションをオフにすると、Fig.3のように配列されます。

Fig.3

大小の円の位置関係(角度)は変わっていないのはわかるのですが、果たしてFig.3では6個のオブジェクトの正確な位置関係はどうなっているでしょうか?

ふと思いついたのは、図心(面積重心)と思って確認してみましたが、違っていました。円の中心同士を結ぶ直線上にも基準となるような点は見つかりませんでした。

考えてみれば、円形状配列複写が可能なオブジェクトは何も閉じたポリラインに限ったことではなく、複数の離れた線分でも可能な訳ですから当然です。

 

検証の結果、バウンディングボックスの中心であることがわかりました。

Fig.4

バウンディングボックスはCGソフト等でよく使われている用語で、対象となる複数オブジェクトに外接するような長方形のことを示します。

Fig.5

Fig.5のような規則性を持っていることになります。