特許図面や意匠図面にはクラウドのFusion360は使えない?

ねじ

これまでにも度々このブログの記事に登場していますが、私が運営に関わっている日本ビジュアルコミュニケーション協会(JAVC)という団体があります。テクニカルイラストレーションの技能向上を目指している団体であり、取扱説明書・マニュアル制作担当者や、CG・グラフィックデザイナーの方々が参加しています。その中でもある程度の人数割合を占めているのが、特許図面担当者。

昨年、弊社ではFusion 360の無料体験会を数回実施しましたが、何人かの特許図面の作成をされている方々に参加いただきました。また今年はJAVCでもFuion 360のセミナーを実施したところ、多くの特許図面担当者が参加されています。おそらく図面作成業務への活用をお考えで参加されたことと思います。Fusion 360で作成したデータは基本的にクラウドに保存されます。ローカルPCに保存されないという理由で、知財業務に関わっておられる参加者の中には、仕事で使用することを早々に断念される方も多いようです。

弊社では一般的な3Dデータ作成業務ではInventorやSolidworksを使用しています。また知財関連業務では製造メーカー知財部門や特許事務所ともお取引きをいただいております。その業務分野におけるボリュームとしては、特許図面よりも意匠図面作成が多くの割合いを占めており、形状の整合性が重視される意匠図面の作成において、今や3Dデータの活用を抜きにしては考えられません。

とは言え製造系3次元CADだけで業務が完結する訳ではありません。弊社では意匠図面作成の場合、複数のソフトウエアを組み合わています。ねじのモデル化等、製造系3DCADには無い機能がFusion 360には幾つかあり、ごく一部の形状だけをFusion 360を使って、作成することがあります。勿論、形状がクラウド上に保存されても全く問題の無い箇所であり、Inventor等別のCADに部分的な3Dデータを読み込んで形状作成を行います。

ねじ モデル化

 

オールマイティなCADソフトは存在しません。(べらぼうな投資をすれば別ですが・・・)
ソフトウエアも適材適所があり、それを上手に組み合わせていくことによって効率化が図れると考えています。

下図はFusion 360でねじを作成し、STEPデータ経由でInventorに読み込んだ後、ネジ溝の底にフィレットを施したものです。この3Dデータから斜視図等の2D図面を生成することによって、ねじ部を持つ形状を図面化することができます。3Dプリンタ造形する場合には、雌ねじとの嵌合を考慮して形状を決定する必要がありますが、出願用意匠図面のように2次元図形で業務が完結する場合には、便利な手法だと言えます。

関連記事:治具設計と3Dプリンタ

 

ねじ