ユーザ定義パターンを使ったハッチング

ハッチング ユーザ定義

以前の記事「ハッチングパターンにANSI31を使うことで生じる問題」でハッチングには「ANSI31」を使わないで「ユーザ定義」を使った方が都合が良いと書きました。今回は「ユーザ定義」を使ったハッチングに絞った内容を書きたいと思います。機械図面(特に組立断面図)や特許・意匠図面の断面図では1つの図の中に何種類ものハッチングを入れることがあります。また特許図面では角度や線の間隔だけではなく、その材質によって使い分けることもあります。平行線だけで断面を表す場合には、部材毎に平行線間隔や角度を変更します。

具体例を示す為に4種類の部材が組み合わさった断面図を作成しました。まずは全てのハッチングの形とサイズを統一し、タイプは「ユーザ定義」、角度は45度、間隔は全て3としています。通常このような断面図であれば4種類の異なるエリアのうち、どれか2ヶ所を135度方向に変更することと思いますが、今回は敢えてハッチングの間隔だけでエリアの区別をしてみます。(Fig.1)

ハッチング ユーザ定義

Fig.1

 

間隔を変更し、「3.0」、「4.0」、「5.0」、「6.0」の4種類に区別してみました。この場合オレンジ色で印をつけた個所が一直線上に揃ってしまっています。部材の区別をするというハッチングの目的からすると好ましくありません。ハッチング間隔を用紙上で0.1mm単位で設定した時、各々の組み合わせの公約数は大きい場合で3.0、小さな場合でも1.0となってしまいます。(Fig.2)

ハッチング ユーザ定義

Fig.2

 

今度はそれぞれの間隔を、「3.1」、「4.0」、「5.3」、「6.1」の4種類に設定してみました。その場合少なくともこの画像領域内では、ハッチング直線が一直線になる個所は存在しません。一見、一直線に揃っているように見える個所でも、拡大すると僅かにずれています。二桁の素数の中から、およそ30、40、50、60に近い数値(31、41、53,61)を選んで、10で割った値を使った結果、このようになりました。ウィキペディアによれば「素数(そすう)とは、1 と自分自身以外に正の約数を持たない自然数で、1 でない数のことである」と説明されています。素数一覧表も提示されているので簡単に探すことができます。(Fig.3)

素数 間隔

Fig.3

 

パッキンの断面図のように、小さな領域の場合には15付近の素数、例えば17を選択し、1.7mmに設定すればよいでしょう。通常はハッチングの角度を変えたり、原点を移動することによって対応可能なので、めったに使用するテクニックではないかもしれませんが、もし非常に込み入った断面図に他種類のハッチングを入れる場合の参考にしていただければと思います。

 

弊社では機械図面の2次元データ(DWG、DXF)を元にした特許図面作成を行っております。お気軽にお問い合わせください。

ユーザ定義パターンを使ったハッチング への1件のコメント

  1. ピンバック : ハッチングパターンにANSI31を使うことで生じる問題 – ニテコ図研技術ブログ

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